私たちについて
昭和51年、親許で養育されることが難しい児童を児童福祉法が守り、児童養護施設で養育されている制度を知りましたが、同時に法の保護が終わった後18歳で児童養護施設を巣立った子ども達がどのように自立していくのかについて漠然とした関心を持っていたところ、平成8年、東京都社会福祉協議会に設置された奨学金基金が児童養護施設を巣立つ子どもたちに無試験、返済不要の奨学金を給付していて、そのことが子ども達の勉学意欲への端緒を紡いでいることを知り感動しました。
それが西脇基金でしたが、まさしく翌年度には給付が続けられない窮状となっている時で、当面の窮状は西脇様の追加出捐で凌ぐと聞きました。
そこで、私たちは広く募金を呼びかけて果実の不足を補い、奨学金給付事業の継続と基金の維持のために働きたいと思って集まり、毎年のチャリティコンサートを通じて多くの方に西脇基金の活動を知っていただく活動をしております。
生憎のコロナ感染症予防のために、令和2年度に続き今年度もチャリティーコンサート中止のお知らせをご通知せざるを得なくなり、ご寄附だけお願いする次第となりました。来年こそ無事にコンサートが実行できますようにコロナウイルス蔓延の終息を祈るばかりでございます。
「西脇基金」は、昭和61年に逝去された夫君西脇和昭様の遺志として西脇麻耶様より東京都に基金設置の申し出があり、同年12月、西脇基金として社会福祉法人東京都社会福祉協議会内に設置されたものです。
何らかの事情で両親と共に暮らすことの出来ない子どもたちが、児童養護施設や里親の下で養育され、やがてその子どもたちは、そこを巣立ち、自立していきますが、高校卒業後、自立する児童のうち向学心旺盛で、大学、短 期大学、各種専門学校等に進学し、特に援助を必要とする子どもたちに学費の一部を給付する基金として設置されました。
酉脇基金の活動は、西脇和昭様の生前のお言葉「子ども達が学ぶ気持ちになった時がチャンスだから成績や過去の素行で差別してはいけない。」に従って運営されています。
試験によって選抜することなく、都内の児童養護施設及び里親からの推薦によって決定し、返済を求めないこの基金は、多くの子ども達の進学を応援し、励まし、支えて来ました。
本基金の運営は、この基金の果実によって奨学金給付を行うのもですが、子ども達の修学意欲の向上と拡大がうれしいことの一方で、長らく続く低金利の下、奨学金給付の継続は極めて困難な状況の中、多くの皆様からのご寄附によって支えられて来ました。
昭和62年の設立以来、就学意欲を持つ子ども達が年々増加して、初年度3名に始まり、翌年度から平成22年度までは2桁であった奨学生は増え続け、令和元年には206人、令和2年には240人、令和3年には269人と成長し、長らく続く低金利時代の中の運営は、再三の窮状を凌いできましたが、今年度はいよいよ基金元本を切り崩して給付を続けることになったと聞いております。
これまでの34年間に延べ3,034人の子ども達がこの給付を受けてきた総額は約9億円ですが、そのうちの約6割強が多くの皆様方のご寄附によるものでした。
子ども達が自立して社会に参加し、社会貢献できる未来に向かって努力できる環境を守るために、是非とも、ご支援の和を広げることにお力を貸していただきたいのです。
Q10. これまでの延べ1,695名に給付した総額は幾らになりますか?またその財源となったものは何ですか?
Q12. 基金運営のための事務諸経費はどれくらい係るのですか?
何らかの事情があり、親元で養育できない子ども達を児童福祉法が児童養護施設や里親制度で保護します。しかし、原則では18 歳までで、その後は自立しなければなりません。施設を出て仕事を持ち、職場も生活環境もあたらしい社会人生活の対応も、都内の家賃や物価での生計の経済的な対応も、大変負担が大きいところですが、大学、短大、専門学校等で学びたいという希望を持った子ども達がおり、その支えとなる奨学金を給付しています。
東京都内の児童養護施設又は里親からの申請に応じ、修学期間中、月2 万円、返還義務のない奨学金を給付しています。
児童福祉法では次のように規定されています。
「第41 条 児童養護施設は、保護者のいない児童(乳児を除く。ただし、安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合には、乳児を含む。以下この条において同じ。)虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて、これを養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設とする。」
保護者のいない児童や保護者に監護させることが適当でない児童が、児童福祉法の下、児童養護施設や里親家庭で安定した生活環境を整えるとともに、生活指導、学習指導、家庭環境の調整等の養育を行い、児童の心身の健やかな成長とその自立を支援する機能をもちます。
近年では、虐待が理由で入所する子どもが約45.2%と最も多く、また、入所児童のうち心身に何らかの障害等をもつ子どもは36.7%と、単に親がいない等を理由とするものより複雑な事情を抱えた保護理由が多い状況にあります。
昭和61 年12 月5 日、都庁にて、西脇麻耶様から当時の鈴木都知事宛に寄贈があり、東京都社会福祉協議会内に基金を設置し、運営委員会を設定することが決まりました。
アーサーアンダーセンの日本支部勤務の公認会計士西脇和昭様が48 歳の若さでお亡くなりになり、奥様である西脇麻耶様が、和昭様の遺志を継ぎ、遺産は児童養護施設を巣立つ子ども達の就学を応援する奨学金制度を作るのが良いと考えて基金を作ることとされました。
基本方針の柱は①試験選別しない。②返済を求めない。児童養護施設を出た子ども達の応援をするにあたり、「子ども達が勉強する気になったときがチャンスだから、成績や過去の素行で差別してはいけない。」との西脇和昭様生前のお言葉を大切に実行したいため、試験で選抜することなく、基金の主旨や要件にあうものは全て等しく給付すること、そして返済を求めないことを最初からの方針としております。都内里親からの養育を受けている子ども達も申請することができます。
昭和62年に127,200千円で発足し、その後も西脇麻耶様より、昭和63年に2,300千円、平成元年に2,500千円、平成2年に5,000千円、平成3年に2,500千円、平成4年に2,500千円、平成7年に70,000千円、平成18年に42,250千円、平成22年に50,000千円と、合計304,250千円。平成9年にはアーサーアンダーセンニューヨーク本部から381,731ドル(45,750千円相当)の出捐をいただきました。また、個人からの出捐としては、平成22年に100,000千円、平成28年には200,000千円の寄附をいただき、令和5年度末時点の基金総額は521,752千円となりましたが、運用益の減少と給付学生の増加による給付財源不足のため、令和4年5千万円,令和5年3千万円、令和6年5千万円と基金元本を切り崩して給付を続けているところです。
元来、基金の運営は果実をもって行うものであり、基金を設置した当初は預金利率が8%であったため、利子収入で就学中の子ども達に月3万円(修学期間中の各年において年額36万円)を給付することができました。しかし、平成2年のバブル崩壊後の利率低下により、各年の運用益だけでは給付ができない状況となっており、近年では基金元本を切り崩して給付を続けています。
昭和62 年6 月6 日に第1 回、3 名の奨学生に給付式を行いました。
その後毎年給付し続け、令和6 年度は第38 回目の給付になります。
給付は年度ごとの申請としており、件数は年々増え続けています。基金設立当初の昭和62年度は3件でしたが、その後の各年は新規給付(新入学生)と継続給付(在学生)を合わせ、6、11、18、27、24、32、32、38、47、47、50、56、63、59、74、74、72、74、66、71、79、66、82、138、156、190、193、194、175、181、189、206、241、268、260と増加し、令和5年度は298件でした。令和5年度末までに給付してきた子どもたちは、合計1,695名(継続給付を含む延べ給付件数は3,860件)です。
実績の詳細はこちらです。
令和5年度末時点での給付総額は1,094,860千円です。その財源は、利子等運用益合計が124,254千円、平成5年度以降令和5年度末までの寄附金合計が759,434千円です。当該寄附金の中には西脇基金を支える会からの繰入金が210,857千円含まれており、その他に他の基金からの繰入金も充てられています。
次第に給付学生が増えるその一方で、バブル崩壊後の金利低下が進む窮状の中、平成6 年に「西脇基金を支える会」が発足し、一般の支援者からの寄附を募集しながら運営してきましたが、資金不足から、平成13 年の新規給付以降は月額3 万円を月額2 万円に落として申請には等しく応じ、選抜試験を導入しない方針を守りました。
その後、平成21 年22 年の高額寄附金を得て、平成22 年から再び月額3 万円の給付に戻しましたが、給付学生の増加(平成27 年度は196 名)に伴い、平成28 年度からは、再度月額2 万円に減額しなければならなくなり、今日に至っております。
基金の給付事業運営は、東京都内の児童福祉施設代表、里親代表などから成る「児童福祉友愛互助会(杉浦・西脇)基金運営委員会」が担っており、東京都社会福祉協議会に事務局が設置されています。事務管理を行うに当たり、基金からはそのための人件費や家賃、器具備品費等は負担していません。主に送金手数料等の事務諸経費がこれまでの38 年間で総額5,442 千円であり、各年度の事務諸経費平均額は143,210 円のみとなり、それ以外の運用益及び寄附金はすべて奨学金の給付に充てられています。
先述のとおり、平成28 年度以降は給付月額を3 万円から2 万円に引き下げていますが、令和2 年度末の資金残高は18,251 千円となったため、令和3 年度は基金元本から70,000 千円を取り崩し、奨学金の給付に充てています。今後の寄附金次第ではありますが、今後も基金元本の取り崩しを続けた場合、あと10 年程で基金が枯渇してしまうことも予想されます。
先述のとおり、平成28 年度以降は給付月額を3 万円から2 万円に引き下げていますが、令和2 年度末の資金残高は18,251 千円となったため、令和3 年度から5 年度の3 年間では基金元本から130,000千円を取り崩し、奨学金の給付に充てています。今後の寄附金次第ではありますが、今後も基金元本の取り崩しを続けた場合、あと6~7 年程で基金が枯渇してしまうことも予想されます。
「西脇基金を支える会」(03-3256-3674)にご連絡いただければ、寄附申込みと送金の手順をご説明いたします。東京都社会福祉協議会へ直接ご連絡いただいても構いません。現金の寄附の他、現金以外の資産の寄附も可能です。一旦「西脇基金を支える会」あてに(経由)寄附いただきました場合にも、そのまま東京都社会福祉協議会に転送いたしますので、寄附金領収書は東京都社会福祉協議会から寄附者に送られます。
確定申告における所得税・住民税の寄附金控除制度または税額控除、相続税における寄附金の非課税制度及び法人決算及び申告上の寄附金控除の取扱いについての説明、また現金外の資産の寄附にかかる税務上の相談等にも「西脇基金を支える会」代表である税理士宮内眞木子が対応させていただきますのでご安心いただけます。なお、遺言信託についてのご相談もお受けいたします。個人情報保護にも取り組んでおりますのでご安心ください。
「西脇基金を支える会」のホームページをご参照ください。
ご寄附いただく際に、寄附者氏名や寄附金額が公表されることはないのかという不安を持つ方もありますが、匿名で寄附するという申し出をいただかなくても、氏名や金額が公表されることはありません。
ご寄附頂きました個人情報は東京都社会福祉協議会が責任を持って管理しており、他に漏れることはございません。